バイリンガル子育て拝見

国際結婚ファミリーをインタビュー。バイリンガル育児の喜び、戸惑い…その奮闘ぶりをリポート

■ルギーニョ知美さん/夫・フランス人/息子(3歳)

 知美さんは、大学卒業後、ピアニストを目指しフランスに留学。そこで、共通の友人を通してアニメーターだったパスカルさんと出会い、結婚。その後、妊娠を機に10年間暮らしたフランスを離れ、日本へ帰国することを決意。2006年、日本で長男レイ君を出産し、現在はピアニストとしてアーティスト活動を続けるとともに、ピアノ講師として活躍しています。

 ご主人はフランスで築いたキャリアを生かし、日本のアニメ制作会社に就職。ゲーム制作などに携わり、多忙な日々を送っています。

 レイ君は今3歳。毎日元気に都内の保育園に通園しています。しかし、日本の就労事情や、子どもの教育環境を考えると、将来的に今後も日本で暮らしていくのは難しい感じてしまうという知美さん。

 日本とフランスの教育事情の違い、旦那さんが日本で行った就職活動について聞いてみました。

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Q)知美さんとパスカルさんは、フランスで結婚式を挙げられたそうですが、印象的な思い出はありますか?

A)日本にはない習慣があるので驚きました。まず、結婚する人は、区役所で、区長や友人、親戚の前で結婚を宣言しなければならないのです。否をとなえる人がいないか確認するそうなのですが、「えー! 突然こんな場所で?」という感じでかなり驚きましたね。

 Q)その後、妊娠中に日本に帰国されたわけですが、日本とフランスの子育てで一番違いを感じるところはどこですか?

A)夫に言わせれば、日本とフランスの違いを語ったら一晩かかると言われます(笑)。
それくらいいろんなことが違うのですが、最も大きな違いは、「子どもを育てる環境」だと思います。
たとえば、「家庭環境」でいうと、フランスでは「両親」で子どもを育てるのがあたりまえ。日本では、「母親」の仕事。母親の育児に対する負担が大きすぎる気がします。その理由は、父親が働きすぎなこと。家族とゆっくり過ごす余裕がないほど、会社に拘束されている気がします。
また「教育環境」も違いますね。学校の周りの自然環境や、授業の雰囲気も全然違うと思います。

Q)パスカルさんに伺いますが、具体的に、フランスの学校はどんな雰囲気なのでしょうか?
 
日本の学校と比べると、学校の敷地が広くのびのびしている、周囲に自然が多いといったハード面の環境の違いもありますが、教室の雰囲気も自由で、個性を伸ばす教育システムが充実していると思います。
フランスでは、一人ひとりの個性を重要視し、それを発展させるような授業をしていると感じます。たとえば、フランスでは、授業中にみんな丸く円になって座り、好き勝手に発言するのです。先生もそれをじっと聞いていて、ときどき「どうしてそう思うのか?」といった形で質問をする。生徒はまた思い思いに自分の考えを発言する、といったスタイルが普通です。でも、日本では、先生が前に立って、生徒は手を挙げて指名された人しか発言ができない授業スタイルが普通でしょ? 正直びっくりしました。

また、私が子どものころ通っていた学校では、哲学に力を入れていて、小さいときから、哲学について毎週2時間ほど話し合う時間がカリキュラムの中にありました。いろんな人の思想について、考えて、みんなで話し合ったり、リポートを書いて発表したりしました。

とにかく自分で考えて、発言するという機会がとても多かった気がします。日本では、そういった授業があまりないように思うし、先生が正しいことを言って、それを学ぶ、という雰囲気なので、他人と違うことを発言したり、自分の考えを自由に発言できるような場がないように感じます。「みんなと同じが良し」とされるというか...。なんだかそれはとても残念ですね。
私たち夫婦は、帰国前、日本は治安もよいし、子どもを育てるにはよいと思ったのですが、そういった日本の教育システムがあまり好きになれないので、今はできれば海外で子どもを育てたいとなと思っています。

Q)そのほか、日本との育児に違いを感じることはありますか?

A)離乳食や卒乳、オムツはずしなども、フランスでは子どもペースに合わせるので、日本よりも少し遅めに感じます。例えば離乳食は、だいたい7カ月頃から、シリアルにミルクをかけたような食事を少しずつ与えるようです。
あとは、夫をみていると、フランス人はやっぱり肉をよく食べるなと(笑)。何を食べたい?って聞くとだいたい「肉」って答えが返ってくるし。だからレイも肉食になるのかな...ってちょっと心配します。

Q)レイ君はフランス語と日本語どのように使い分けていますか?

A) 私とは日本語で、パスカルとはフランス語で話すようにしています。でも今は保育園に行っているので、日本語の方が得意になっているかな? フランス語は聞いてわかってはいるようですが、やはり日本語で答えることが多いです。
レイは3歳なので、我が家ではまだ特別なことはしていないのですが、言葉はこれからどんどん発達してくると思うので、他の国際結婚ファミリーがどんな教育をしているのか気になります。

Q)旦那さんは日本に来られてから就職活動をされたそうですが、日本での就職はどんな苦労がありましたか?

A)一番大きな問題は、言葉です。とにかく全然話せませんでしたから(笑)。就職先は、夫がフランスでアニメーターの仕事をしていたので、そのスキルを生かせる会社を探しました。履歴書は私が代わりに書いてあげられるのですが、面接は本人しかできない。でも本人は日本語がカタコトしかしゃべれないため、面接で聞かれても答えられない! だから面接で聞かれるであろう質問と答えを日本語で作成し、丸暗記させました。もうそれ以外の質問がきたらアウト!という綱渡りの就職活動でしたね。

Q)パスカルさんは日本で働いてみてどう感じますか?

A)みんな働きすぎです(笑)。仕事は運よく見つかりましたが、日本で「アニメーター」というと、若い方たちが多く、毎日遅くまで、徹夜も当たり前、といった状態で働いているので、慣れるのが大変でした。
私にとって、優先順位は「家族」が一番。「仕事」ではない。ただ、会社に勤めると毎日終電近くまで働かなくてはいけないし、土日も仕事になることが多いので、どうバランスをとるのか悩みの種です。
今年、フランスに帰国するために、10日ほどの長期休暇が欲しいと思ったのですが、そんなに長く休む人がいないので、申請するのも一苦労でした。
それに、残業代が出ないとわかっていても、我慢して働くことに驚きましたね。交渉をしないのか、と同僚に聞いても、みなさんまだ若く、「丁稚奉公」的な働き方が当たり前と思っているので、環境を変えることは簡単ではないようです。フランスだったら、すぐにストライキが起きるでしょうけど(笑)。
ただ、仕事はハードですが、アニメの盛んなフランス、日本でキャリアを積んだことはよかったと思っています。今後どんな国に行って仕事をするにせよ、この経験は自分にとって必ずアドバンテージになると思いますから。

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