バイリンガル子育て拝見

国際結婚ファミリーをインタビュー。バイリンガル育児の喜び、戸惑い…その奮闘ぶりをリポート

■プレイティン直子さん/ピーターさん・ベルギー人/海斗くん(3歳)

直子さんは、アメリカはカリフォルニア州、サンディエゴにある旅行関係の学校に留学中、共通の友人が主催したパーティでピーターさんと出会いました。ピーターさんのお仕事は、なんとフリーランスのシェフ。出会った当時は、資産家が所有するヨットの専属シェフとして船に住みこみで働いていたとか。

卒業後、直子さんは日本には帰らず、ピーターさんのキッチンアシスタントとして働いたりもしながら、アメリカのフロリダ、カリフォルニア、N.Y.、メキシコなどで暮らし、2002年にフロリダで結婚。2005年に日本に帰国後すぐに妊娠し、海斗くんを出産しました。実家近くに住み、ママ友にも恵まれ、日本での子育てを満喫していた2008年10月、今度はピーターさんの仕事の関係でスイスへ移住することに。

「やっとスイスの生活に慣れてきた感じです。とはいえ、スイスに定住すると決まったわけでもなく、これからも夫の仕事に合わせて、世界各国を移動する生活が続くかもしれません」と話す直子さん。スイスでの子育て事情や、世界各国を移り住む国際派家族ならではの子育て論について聞いてみました。

プレイティン直子さんご家族

Q)海斗くんが1歳10ヶ月のころにスイスに移られたそうですが、日本とスイスの子育ての違いを感じるのはどんなところですか?

日本では、「離乳食は6ヶ月から、おむつ外しは3歳まで」など、子どもの月齢に合わせて何ができていないといけない、というのが強くあるように思いますが、そのあたり、スイスではゆったりとしています。子ども一人ひとりのペースに合わせて、というのを大切にしているように感じます

でも、卒乳の時期だけは違いました! 海斗は1歳4ヶ月のときに卒乳したのですが、その話をスイスですると、必ず「長い!」といわれます。こちらは共働きの家庭が多く、女性も早く仕事に復帰するので、自然と授乳の期間が短くなるのかも

Q)スイスでは、大人と子どもの生活をしっかり区別すると聞きましたが、どういうことですか?

たとえば、子どもを寝かしつける時間。こちらでは、子どもは7時とか8時には寝てしまいます。そのあとは「大人の時間」というように徹底しているんですよね。たいていの家には子ども部屋があり、時間だけでなく、家の中の空間も大人と子どもでしっかり区別しているように思います。

私たちも、スイスに来てから、海斗専用の部屋を作りました。慣れるまではぐずぐず泣いてしまって大変でしたが、最近「寝るときは自分の部屋に行く」ということがわかってきたようです。
あとは、大人が話しているときに、子どもが割って話に入ってくると、ビシッと厳しく注意されているのをよく見かけますね。

Q)スイスでは健康保険・医療費が高いと聞きましたが、どれくらいなのですか?

スイスには、日本のように公的機関が運営している国民健康保険がなく、民間会社の基本健康保険に入ることが義務化されています。我が家では毎月7万円近くの健康保険料を支払っています。健康保険の掛け金が多ければ多いほど、医療にかかったときの自己負担額は減るのですが、それにしても医療費が高い! 先日も、海斗の検診と予防接種を1本受けにいっただけで、22000円もかかりました。日本では考えられないことですよね。

そのせいか、スイスでは代替医療がとても発達しています。とくにホメオパシーはどこの薬局でも購入できるほどなんです。先日も、海斗が公園で転んで泣いていたら、そばにいた婦人が、「これを塗ってあげなさい」とARNICAのクリームをさっと差し出してくれました。

Q)現在、海斗くんは幼稚園に通っているとのことですが、日本の幼稚園との違いはありますか?

選べるほど幼稚園数が多くなく、空きもなかったので市に登録しておいところ、ある日突然電話がかかってきて。その次の週、園長先生と面談し、すぐに入園できることになりました。今は週4日、午前中だけ通わせています。日本の幼稚園はお弁当や給食が一般的かと思いますが、スイスでは午前と午後のクラスに分かれていて、お昼になると、子どもは一度帰宅するんですよ。

びっくりしたのは、事前に準備するものが上履きだけだったこと。日本だと、いろいろ用意する物があり、すべてに名前を付けなければならなくて大変だと聞いたことがありますが、こちらではそういうのが全くありません。物がなくなってもそれはすべて自己責任。ある日お迎えにいったら、海斗が他の子の靴を履いていたことがあって......(笑)。それ以来、我が家では持ち物に名前をつけるようにしました。

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「Escalade(エスカラード)※」の日、幼稚園に通うほかの子どもたちがみんな仮装していたそう。お迎え時には、海斗くんもフェイスペインティングで海賊姿になっていたとか!

※1602年、サヴォイア公(サヴォワ)との戦いに、市民が一丸となって勝利したことを祝う伝統の祭り。兵隊やギルド、農民など当時の衣装を身にまとってパレードなどが行われる。


Q)現在、海斗くんの言語はどのようにしているのですか?

私とは日本語、夫とは英語、幼稚園ではフランス語を話しています。私と過ごす時間が長いので、日本語が一番得意ですね。こちらに来てからフランス語のDVDを積極的に観せていたら、9月から幼稚園に通うようになったこともあり、フランス語の単語や歌が少しずつ出てくるようになりました。一度に3カ国語を覚えなければいけないので、混乱しないだろうかと心配になることはあります。海斗が変なストレスを感じていないかどうか、よく観察するようにしています

Q)スイスで暮らしていて、不安に思うのはどんなことですか?

自分自身の語学力です。今も語学学校に通ってフランス語を勉強しています。日本にいれば、言葉の苦労もなく、子育ての悩みを相談するママ友もすぐにでき、実家を頼ることもできてよかったな〜と思うことはたまにあります。でも、絵画で見るようなアルプス山脈がすぐそこに見え、大自然の中で伸び伸びと子育てができたり、ベビーカーで街を歩いていると、街行く人が親切にサポートしてくれたり。日本にはない魅力がたくさんあるので、今はスイスに来てよかったなと思っています

Q)今後もスイスに永住するかはわからないとのこと。いろいろな国で子育てをするメリット、デメリットについてどうお考えですか?

世界中のさまざまな都市で暮らし、文化の違いを体験することは、親にとっても、子どもにとってもよい影響があると考えています。ただ、そのことが海斗にとってストレスになっていないかどうかは、これからもよく観察していきたいと思っています。将来設計に不安がないといえば嘘ですし、これから海斗が成長していくにつれていろいろ問題は発生するかもしれませんが、その都度、家族でよく話しあって決めていきたいと思っています。

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