バイリンガル子育て拝見

国際結婚ファミリーをインタビュー。バイリンガル育児の喜び、戸惑い…その奮闘ぶりをリポート

韓国韓国の教育熱に 巻き込まれないか心配です(韓国)

■宮谷晴子さん/夫 姜相圭(カン サンギュ)さん・韓国人/映在(ヨンジェ)くん(4歳) 、瑠璃(ユリ)ちゃん(7カ月)

昨年7月に第二子となる長女ユリちゃんを出産し、夫のサンギュさん、長男のヨンジェくんと4人で暮らしながら、完全在宅でフリーランスの韓国語翻訳者として仕事をする宮谷晴子さん。ところが昨年末、サンギュさんの韓国赴任が急遽決まり、この4月から約1年ほどソウルで生活することに。

「息子も幼稚園生活にやっと慣れてきた頃だったし、すでに受注していた仕事もあり、韓国での子育てにも不安があり......心の整理がなかなかつかず、事実を受け入れるまでに時間がかかりました。今は新生活に向けて、前向きに引っ越しの準備を進めているところです」

学生時代、韓国への留学経験がある晴子さんですが、現地での子育て情報はほぼ白紙状態。現在は、mixiで韓国の子育て情報を交換するコミュニティに参加しながら、情報を収集しているそう。そんな晴子さんに、韓国との日本のバイリンガル子育てについてお聞きしました。

宮谷晴子さんご家族

Q)韓国の結婚式は、日本のものとは全く違っていたそうですが、どのような結婚式だったのですか?

まず、招待状がなく、誰でも参加できるんです。参列者は、受付してご祝儀(相場も3万ウォン=約3000円と安い)を渡すと、食券が手渡されます。挙式は、結婚の誓い、ケーキ入刀などを含めて20分くらいで終了。その後、参列者は別のフロアにある食堂に移動し、バイキング形式のご馳走をいただいて解散になります。日本の結婚式とは、大きく異なっていますよね。

Q)日本で出産されたそうですが、産後、韓国の義母さまから大量にワカメが送られてきてとか......。

産後まもなく、韓国から高級漢方薬とワカメが1箱送られてきました。韓国では、産後の肥立ちがよくなり、母乳の出もよくなる、ということで、栄養満点のワカメスープを約1ヶ月ほど、3食と間食で大量に飲むのだそうです。言われたとおり、約1ヶ月ほどワカメスープを飲み続けました。そのせいで、私はいつもお腹を壊し気味でしたが......(苦笑)。

Q)そのほか、韓国と日本の出産事情でびっくりされたことはありますか?

産後は体を温めるのが基本で、夏でも38度くらいに保ったオンドルで過ごすそうです。新生児も毛布でぐるぐる巻きにされます。長女を夏に出産したあと、暑くて薄着のままクーラーを利かせていたら、遊びにきた韓国人の友人に「韓国では、そんなことをしていたらまわりから大目玉だ」と驚かれました。

あと韓国では最近、出産後にサヌジョリウォン(産後処理院)という施設に入って1ヶ月ほど体を休めるのが流行っているそうです。その間、母乳をあげる時間以外は、新生児の世話もすべてやってもらえるとか。1日3食、ワカメスープに加えて栄養満点の料理が並び、産後の回復を早めるという韓薬、栄養を考えた間食が2回出て、座浴もできるとのこと。洗濯、掃除はもちろん、脚マッサージや美顔マッサージができるところもあるそうです。費用は2週間で85万ウォン(8万5000円)くらいとのこと。

Q)そのほか、育児に関して驚いたことはありますか?

韓国では、子育てに関する迷信がとても多いんです。たとえば、「寝ている子どもを頭の方からのぞきこむと、寄り目になるのでダメ」、「おむつ替えのときに股をひとさすりするとよい」、「脚のかたちがきれいになるように、新生児の頃から脚をまっすぐに伸ばしてあげるとよい」などなど。長女が産まれたとき、顔にうっすらとアザがあったのですが、それを見た義母に、「祈りが足りないからアザができた。お供えものをして祈れば1歳までに消える」と真剣な顔で言われて困りました(苦笑)。

Q)現在、お子さんの言語はどのようにしていますか?

本当は、夫には韓国語で話してほしいのですが、家族の会話はすべて日本語でしています。息子は、保育園に入り、まわりのお友だちの言葉が日本語だと意識し始めたころから、韓国語を避けるようになりました。ヒアリングはできているようなのですが......。両国の言語を習得してバイリンガルになってほしいという思いはありますが、どちらの言語も中途半端になってしまわないよう、まずはどちらかを徹底して、正しく身につけて欲しいなと思っています。4月から、約1年の予定で韓国で生活することになるので、日本語を忘れないようにしつつも、韓国語を学ぶにはいい機会だなと思っています。

また、実母に「将来、両国のアイデンティティに葛藤し、第三国で生活する可能性もあるのだから、そのときに備えて英語は習得させてやるのが親の義務だ」とアドバイスされ、私も納得したので今は英語教室に通っています。

宮谷晴子さん写真1
ハングルの絵本「だ〜れだ」。ハングル語の下に日本語で訳をつけて、読み聞かせているそう。

Q)韓国での生活で、いま一番不安に思っていることは何ですか?

韓国の教育熱に巻き込まれないかどうかです。韓国ではカンナム(江南)エリア近郊で暮らすことになりそうなのですが、カンナムは、『江南(カンナム)ママの教育戦争』という映画もあるほど、韓国一教育熱が高いエリアなんです。ご存知の通り、韓国は学歴社会で、いい大学に入れるために、幼児期から子ども一人に、毎月日本円で10万円くらいの教育費をかけるそうです。最近では、キロギアッパ(海外で子どもに教育を受けさせるために、韓国でひとり残って働き仕送りをする父親)も増えてきているとか。恐ろしいですね。

宮谷晴子さん写真2
数字をハングルと英語で読み方を書いた数字カード。韓国で購入したもの。

Q)医療面での違いはどうですか?

韓国は日本よりも予防接種が多く、接種する時期が異なっていたり、一度にまとめて接種できたりなど、日本とは制度が大きく異なっているので、その違いを調べること自体とても大変です。また、韓国の薬にも不安があります。薬局でとても安く購入できるのですが、以前、頭痛薬を飲んだら効きすぎて副作用が出たことがあって。子どもに飲ませても大丈夫だろうか、信頼できるかかりつけ医がすぐにみつかるか、など不安はつきません。

Q)お隣の国といえど、言葉も文化も大きく異なる異文化の中でどのような子育てをしたいと考えていますか?

親や目上の人を敬う韓国の儒教的思想と日本人の謙虚さを教えたいです。また、それぞれの伝統文化である能楽や伝統楽器などは習わせてあげたいと思っています。

息子は、韓国人の父、日本人の母を持つ他の子とは違った環境におかれていることを理解していているようです。普段は、両親をオンマ(ママ)、アッパ(パパ)と韓国語で呼ぶのに、幼稚園に入ってからは先生や友だちの前ではママ、パパと言い換えたりしています。幼いながらに自分でいろいろなことを考え、配慮している姿がいじらしくもあり、誇らしくもあります。今後、アイデンティティの問題などいろいろ出てくると思いますが、気を引き締めて、子どもたちとしっかり向き合っていけたらと思っています。

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