バイリンガル子育て拝見

国際結婚ファミリーをインタビュー。バイリンガル育児の喜び、戸惑い…その奮闘ぶりをリポート

■ボウスキル京子さん/夫 ジェームズさん・イギリス人/トモキくん(3歳) 、ナオキくん(6カ月)

昨年第二子を出産し、5月から外資系メーカーに復職予定の京子さんとWeb制作会社でアートディレクターとして働いている夫のジェームズさん。ジェームズさんが日本に興味を持ったきっかけは、なんとマンガ『AKIRA』なんだとか。

「『AKIRA』に感動して日本のクリエイティブの文化に触れてみたいとチャンスを探していました。あるとき、新聞広告でイギリスに本社をおく大手英会話学校が日本での講師を募集しているのをみつけて、それに応募したんです」

採用が決まり、研修を受け、2週間後にはボストンバッグ1つで来日していたというから驚きだ。京子さんとは、その英会話講師時代に出会ったのだそう。

現在は、"日本ならではの暮らしがしたい"というジェームズさんの意向で、都内では珍しい築40年の木造日本家屋に、3歳のトモキくん、6ヶ月のナオキくんと4人で暮らしています。「一度はイギリスに家族で住みたい」という思いはあるそうですが、しばらくは日本で暮らしていこうと覚悟を決めたというお二人。でも、将来のことを考えると、いろいろ不安を感じることも多いようです。

ボウスキル京子さん家族

Q)ご家庭では、どちらの言語を使われていますか?

京子:夫婦間は日本語、夫と子どもは英語、私と子どもは日本語で話しています。

ジェームズ:子どもとは、英語で話すことを徹底してきました。でも、正直とてもつらかったです。僕が英語で話かけてもほとんど答えてくれないんですから......。息子は普段、保育園でも日本語なので、やはり日本語の方が得意。妻と日本語で楽しそうに会話しているのがとてもうらやましかったですね。でも、「バイリンガルに育てたい」と僕が決めたことなので、そこはぐっと我慢しました。3歳になって、最近やっとぽつりぽつりと英単語が出てくるようになってきたのでうれしいですね。そんなときは、少し大げさなくらい褒めてあげるようにしています。

Q) なにか教材を使って英語の勉強をしているのですか?

ジェームズ:イギリスの両親が送ってくれた英語のDVDを観たり、週に1度、スカイプを使って僕の両親と英語で会話するようにしています。あと最近は、iPhoneで幼児向けのアプリケーションをダウンロードして、楽しみながら英語に触れさせる機会をつくったり。テレビやDVDのように一方的ではなく、子どもが考えたり、手を動かしながらインタラクティブに遊べるのでiPhoneアプリには可能性を感じています。現在、会社でも親と子どもが一緒に楽しめるアプリケーションの開発プロジェクトを立ち上げて進めているところなんです。

Color Collector
Color Collector」は、カメラで撮影した色を英単語で発音して教えてくれるというアプリケーション。トモキくんは、家中を歩き回って撮影しては色遊びを楽しんでいるのだそう。ジェームズさんのサイトでは、おすすめの幼児向けアプリケーションが多数紹介されているので要チェック!
http://jamesbowskill.com/

Q)ジェームズさんは、育児にも積極的に参加されているようですが、どのように子育ての情報を入手されているのですか?

ジェームズ:海外の子育て情報サイトはよくチェックしています。先日も、アメリカのとあるサイトで、ナイフを使ったり、火を扱ったり、ちょっと危険な道具を子どもに使わせるサマーキャンプの記事が紹介されていて。僕もDIYが好きなので、いつか子どもたちと一緒にやってみようと思って、さっそく息子用に小さなハンマーを購入したばかり(笑)。日本では、小さい頃からお稽古ごとをさせたり、塾に通わせたりというケースが多いようですが、「勉強は大きくなってからでもできる」というのが我が家の考え方。親が一緒にかかわり合いながら、子どものうちにしかできないことを体験したり、自分でおもしろいものを発見して楽しむスキルを身につけてほしいなあと思っています。

あとは、同じく国際結婚をした友人が主催している「ベビージャム」という父親サークルに、時々家族で参加しています。初めは数家族で集まってホームパーティをする程度だったんですが、最近では20組以上の親子が参加することも。国際結婚ファミリーだけでなく、日本人ファミリーも参加してるんですよ。インターナショナルスクールのようにつくられた環境ではなく、いろいろな国のファミリーが自然と集まって交流しているというのが、とても新鮮で面白いなと感じています。普段、保育園では父親同士のつながりがあまりないので、同じ年代の子を持つ父親との交流はとても楽しいですね。

Q)日本で子どもを育てて行く上で、不安はありますか?

ジェームズ:日本人は、自分の意見をプレゼンテーションするのがあまり得意ではないですよね。イギリスでは、学校でプレゼンテーションやディベートの授業が普通にありましたから、そういったプレゼンテーション能力が日本の学校で磨けるのかどうかはとても不安です。

京子:確かに以前、夫の実家に行ったときに、家族の会話の中でも、人の話をきちんと聞いて、それに対する自分の意見を話すという会話のキャッチボールが自然と成り立っていたのがとても印象的でした。自分の意見や考えをしっかりと、ときにはユーモアを交えながら伝えるスキルは、将来、仕事などでも絶対に役に立つと思うので、ぜひ子どもたちには身につけてほしいです。そのためにも、家族の会話ではそういった雰囲気づくりは心がけていきたいです。

Q)お義母さまが、保育園の先生をされているとのこと。イギリスでの出産・子育て情報でびっくりしたことはありますか?

京子:イギリスでは、出産当日に退院するとのこと。母乳育児の指導などもほとんどないそうです。私は2人とも日本の病院で出産しましたが、入院中の食事の写真をお義母さんに見せたら、その手厚さに感動して、産後しばらくはこのトピックで盛り上がりました。

あと、イギリスでは、子どもの成長について、"この時期はこうだ"とあまり決めつけずに、そのスパンをわりと長めにみるような気がします。日本では、まわりと比較したり、どうしても先を急いだり、ささいなことでも心配が数倍になってしまうところがあるなあと感じました。

小麦粉粘土の材料
こちらは、お義母さんに教えてもらったイギリス流小麦粉粘土で使う材料のひとつ、クリームタータと食用色素。「小麦粉にベーキングパウダーと塩、色紅などを混ぜてつくります。現地の保育園では、黒の粘土がなぜか人気とか」。つくり方はこちらでチェック!>>

Q)逆に、日本の子育て環境の素晴らしさも改めて実感したとのことですが、具体的にはどんなことですか?

京子:食文化です。以前、荒んだイギリスの食文化を指摘し、給食改革をした有名シェフの番組が話題になっていましたが、イギリスでは、とくに子どもたちの食生活が恐ろしいほど乱れているようです。料理の仕方を知らない、素材の名前すら知らない、時間がない大人たちの意識の低さには驚かされました。日本では、保育園での食事指導やメニューも素晴らしく、安心してお任せできるのは、本当に素晴らしいことだと実感しました。

Q)今後、どのような子育てをしていきたいですか?

子どもたちには、これからの国際社会の中で、どんな状況下でも生きて行けるタフさを身につけてほしいと思っています。そのためにも、世界にはいろいろな人、国、文化、価値観があるんだということを見せてあげたいと思っています。そう考えると、いつか一度はイギリスで暮らしてみたいと思うのですが、夫の日本での仕事が安定してきたこともあり、今すぐ渡英ということは考えていません。でも「それで本当にいいのか」と悩むこともあります。国際結婚には、「どちらで暮らすのがよいのか」という悩みは、つきもののような気がしますね。

あとは、とくにふたりとも男の子なので親離れが早く、しかも将来、自分のアイデンティティに悩み、日本やイギリス以外の国で暮らすことを選び、同じ国で暮らせない可能性も高いことを考えると、私自身も含めて、家族全員がそれぞれ自立していかなければと思います。将来のことを考えると不安はつきないので、あまり悩まず、今を楽しもうと楽観視することも大切だと、自分に言い聞かせています。

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