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ドイツ人上司と日本人上司の違い

2010年6月に、アーンスト・アンド・ヤング会計事務所(Ernst&Young)が発表した、欧州在住の約800企業を対象に実地したアンケート結果によりますと、外国人マネジャーが投資したい国ランキングで、ドイツは、ロシア、アメリカ、インド、中国に続いて第5位と人気があることがわかりました。

理由は、インフラが整っていることと、生活水準と労働者のクオリティが高いことです

そんな働きやすい国ドイツのミュンヘンで、現在フリーの販売アドバイザー兼コーディネーターとして働ける喜びを感じながら、日本人上司とドイツ人上司との思い出を振り返ってみたいと思います。

私は20歳から41歳まで、足掛け15年の会社員生活を送りました。

アルバイト・パート生活を含めますと、20年になります。

その20年の中で出会った上司は7名で、内訳は、日本人が5名、ドイツ人が2名になります。3つのドイツ企業で11年勤めたのですが、一人の社長が3つの会社を設立したので、ドイツ人上司の数は少なめなのです・・・。

今回のテーマは、「ドイツ人上司と日本人上司の違い」

ドイツ人と日本人との間には、みなさまご存知のとおり、国籍や言語やビジネス文化等の根本的な違いがあります。

でも、私はこの原稿を書きながら気がつきました。私が出会ったドイツ人上司も、日本人上司も、みんなそれぞれにポリシーと尊敬心を持ちながら、私に接してくれていたことを。

私の上司に対する接し方に違いはありましたけれど、私に向けてくれた眼差しはどの上司も同じだったのです。

日本にいて、日本企業にいて、学んだこと。

ドイツにいて、ドイツ企業にいて、学んだこと。

今、私がフリーで働けているのは、それぞれの運命的とも言える、素敵な上司との出会いがあったからこそであり、彼らが私を導いてくれたからこそなのです。

さて、ここで、私のドイツ人上司および日本人上司に対する接し方の違いについて、

質問形式でお話したいと思います。 

Q.どちらの上司により気を使いましたか?

A.どちらかと言うと、日本人上司の方が私にとってはより気を使う存在でした。


Q.それはどうしてですか?

 

A.「母語が同じ者同士という甘えからくるコミュニケーションミス」が発生しやすいことが理由だと考えます。

Q.具体的にはどういうことですか?

A.例えば、同じ日本語を話すし、同じ土壌で育っているから、言葉少なでも、行間が読めるので大丈夫と思っている上司がいたからです。情報を10%受け取って、そこから上司が言わんとしていることを100%理解しろと言われても、できないということです。

Q.ドイツ人上司も同じですか?

A.はい。おもしろいことに、私のドイツ人上司は、部下に10%情報を渡してOKと思っていました。

 
Q.それはどうしてだと思いますか?

A.理由は、情報がもう少し必要なことに、このドイツ人上司は気がついていなかったからです。


Q.では、共有する情報は、ドイツ人上司、日本人上司に関係なく、最初は同じ10%でしたのに、なぜ、日本人上司の方がより気を使ったと思われますか?

A.やはり、同じ言葉を母語として話す者同士という前提条件があったからだと思います。同じ日本人同士なのにそれくらいわからないのかと言われそうで、私は気楽に尋ねることができませんでした。

更なる情報を得るために聞きやすいのが、ドイツ人上司の方だったのは、きっと私が外国人だからと開き直れたおかげかもしれません。それでも、ドイツ企業に勤め始めの頃は、ドイツ人上司に何か尋ねるのも相手の都合ばかり考えてしまい、なかなか勇気が出なかった経験があります。今思い返してみますと、単に私の考えすぎだったのですが・・・。

Q.ドイツ人上司と日本人上司の、もっとも大きな違いは何だと思いますか?

強いて言うなら、「部下が失敗したときの対応」が違うと思います。

ドイツ人上司は、「やってしまった失敗」よりも、「次に同じ失敗をしなければいいから」とすぐに未来を見つめてくれるのに対し、日本人上司は、「なぜ失敗してしまったのか」と、過去を引きずる傾向にあるような気がしますね。

まあ、日本人上司の場合、原因解明に努めることになりますから、失敗防止にはなりますけど、部下にとっては、失敗したあとの居心地の悪さはずーっと残りますよね。


日本人上司との印象深い思い出の一つとして、こんなことがありました。

仕事の指示を受けた後、自力で完成させるのは無理かもしれないと思い、上司に説明しようとしたときに、

 「Use your Head(頭を使って考えろ)!」 

とどやされたことです。

私はこの会社でコンピュータの使い方を学んだのですが、円グラフが上手にできなくて、上司にできないと説明を試みたところ、「頭を使ってもう一度考えろ!」と一喝されたのです。

このとき、カーッとなりましたが、もう一度やってみると、ちゃんと円グラフが完成したので、あきらめずに最後まで自力で頑張ればできることを、このときこの上司から教わりました。

証券会社に勤めていたとき、ものすごく腰の低い課長がいました。

店頭に来られるお客様に対していつも深々と直角になるくらいお辞儀するのです。

彼のお客様への対応ぶりには、いつも感心していました。

課長が自ら接客の見本を示していたからです。

このとき、接客の基本をこの上司から学んだと思います。

そして、もちろん、3つのドイツ企業で私の上司を11年間勤めてくれた社長と、2つのドイツ企業で私をQAマネジャーとして育ててくれたもう一人の社長も私にとっては忘れがたい存在になっています。

なぜなら、この二人の上司を通じて、「生のドイツ人上司とのぶつかりあいはなにぞや」を、経験させてくれたからです。 

例えば、こんなことがありました。

上司 「今から日本のビジネスパートナーに電話したいから、君は通訳として一緒にいてくれ」

私 「はい、わかりました。もしもし、xx様ですか?こちらは◎◎です。例の件でお電話しました・・・」

日本のビジネスパートナー 「その件はこれ以上何もしない方がいいと言ったじゃないですか」

私 「(上司に向かって)、お客様が何もしない方がいいと言っています」

 上司 「君はドイツ企業に勤めているのだから、こちらの言い分を相手に伝えてくれ」

私 「(上司に向かって)、相手を怒らせることになってもいいのですか?私はオススメしませんけど・・・」

上司 「1%の可能性があるのであれば、アクションを起こすべきだ。とりあえずやってみよう」

私 「(お客様に向かって)、上司は先方に尋ねてくれと言っています。よろしくお願いします」

日本のビジネスパートナー 「わかりました。やってみます」

このとき行ったアクションにより、ドイツ企業は困った状況になってしまったのですが、私は生のドイツ人上司の融通の無さをこのときほど味わったことはありません。

ドイツ人上司は、ストレートで簡潔なコミュニケーションを希望しています。

少しでも複雑になってくると、理性的に話が進まないことがよくありました。

私が11年間で経験したドイツ人上司との関わりは、今の私のドイツ人のお客様とのコミュニケーションのベースになっています。

 

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プロフィール

ゲッべルみどり

ゲッべルみどり

ペンパルで知り合い、遠距離恋愛を続けていた、ドイツ人の夫との結婚を機に1993年に渡独。

ドイツ語を猛特訓しながら、現地で就職活動を行い、最初にアルバイト・パートとして5年間ジェトロに就職。
その後12年間ドイツ企業3社で会社員として勤務。2004年からは、中間管理職として、ドイツ人の上司や同僚、部下と悪戦苦闘しながら働く。

転職、昇進、育児休業、復帰、解雇、失業など、さまざまな経験を経て、2009年に独立。
現在は、フリーランスで、ビジネスコーディネート兼ゲームのテストサービスを行っている。
2歳年上の夫、7歳の長女とミュンヘンにて3人暮らし。

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