

ハワイと日本の出産には、どんな違いがあるのか。最近はどのようなトラブルが多いのか、これまでハワイで45人以上の妊婦さんの出産に立ち会ってきた、出産コーディネーターの亨子さんに、ハワイ出産の最近の傾向、また、日本との違い、注意点を伺ってみました。
ハワイで出産すると、アメリカ国籍が取得できるのは、アメリカが、父母の国籍は問わずに、子が生まれた場所の国籍を与えるという「生地主義」を採用しているから。ちなみに日本は「血統主義」を採用しています。詳しくは>>>
海外の多くは日本と比べ、産後の入院期間はとても短いのが特徴。アメリカでは自然分娩で入院は1日、翌日には退院が普通です。帝王切開でも3日で退院。出産は病気ではないため、日常の生活に早く戻すほうが、回復が早いと考えられているから。
日本では、妊娠が分かると、まず出産する場所、「病院」探しから始めますが、アメリカでは、「医師」を探すことから始めることになります。まず分娩を担当する産婦人科の医師を選び、医師が契約している複数の病院から体調や出産スタイルに合わせて最適な病院を選ぶ、という具合です。
というのも、アメリカでは、病院とクリニックは性質が異なるのです。クリニックは、医師が「診察」を行う「医師のオフィス」で、病院は、クリニックの医師が医療設備を利用したり、患者が入院したり、各専門スタッフを常時備えた「関連機関」なのです。

産婦人科の「医師」と「病院」をそれぞれ選ぶように、小児科医、麻酔医などもまた、個別の契約となります。
例えば、分娩時に無痛分娩を希望すると、専門の麻酔医が来て対応。赤ちゃんが生まれると、出産前から依頼していた小児科の医師が、子供のケアを担当。そして、すべて会計は別となり、出産後、それぞれに支払います。このシステムを知らず、病院にだけ支払ってそのまま帰ってしまう日本人が多くなり問題になっていることもあるとか。また、ハワイを始め、海外の多くの国では、産後担当してもらう小児科医について、母親が妊娠中に、数名の医師と面接し、あらかじめ選んでおくことが一般的です。

出産後はさまざまな事務手続きが必要となります
←出生証明書。出産後すぐに申請するので、子どもの名前もすぐ決めなければならない。事前にある程度、候補を決めておいた方が無難
←ソーシャル・セキュリティ・ナンバー。アメリカで暮らすときに必ず必要な番号。この番号は一生涯使うことができる。
その手続きに必要なもの
・母子手帳(日本語版および英語版)
・印鑑
・母親の戸籍謄本
・アメリカでの出生証明書
など。
←日本語版と英語版の母子手帳。どちらも日本の区役所で発行してもらえるので、海外での出産を決断したら両方もらっておこう。
この渡航書は有効期限が一週間しかないので、必ず帰国日が決まってから申請すること。即日発行される。
アメリカのパスポートで帰国しないのは、日本到着際に「3ヶ月以内にアメリカに帰国する航空券」がないと入国できないため。
←日本とアメリカのパスポート。アメリカのパスポートは現地でも発行してもらえるが、ソーシャルセキュリティナンバーと、出生証明書とがあれば帰国後、日本のアメリカ大使館・領事館でも発行が可能。

実は、ハワイ出産を希望される方は、日本で出産できない、といった様々な事情がある方もいらっしゃるのも事実です。でも、大方は、お子様がいずれ留学して、就職する可能性も考え、その後家族で移住できれば、といった将来的にアメリカ滞在のプランがある方。また、ご自身で留学経験がある、という方が多いと感じます。後は富裕層の方ですね。
制度的なことから、精神的なストレスなど様々です。先日も、夜中に突然「日本にいる旦那が電話に出てくれない」と泣いて電話をかけてきた方がいて、すぐに飛んでいき、話を聞いてあげました。妊娠期間というのは、ただでさえ、神経質になってしまう時期。その時期を、海外で、一人で過ごすというのは大変なこと。また、最近は、ご一緒に滞在されている妊婦さんのお母様からの愚痴や相談事もよくあります。生まれてくる子供のためにも、できるだけご家族の心の支えになりたいと思っています。
まず、日本とは、あらゆる意味で常識が違うことを認識することが重要です。あるご夫婦なのですが、夫婦げんかをして、奥さんが警察を呼んで、旦那さんが連行されてしまったことがあったのです。アメリカでは、一度警察に逮捕されてしまうと、もうその夫婦は同じ部屋で泊ることは許されません。日本の常識が通用しないことをよく自覚し行動するようにしたいものです。
また、滞在先は、値段と立地だけで選ぶのは危険です。家賃が安いという理由だけで選んだコンドミニアムは、隣に麻薬密売人が住んでいたとか、セキュリティや衛生面に不備があったりと、トラブルが多いのです。妊婦と新生児が快適に暮らしやすい設備が整っている環境を選ぶよう注意が必要です。
それから、アメリカはチャイルドシートの設置に関してかなり厳しく、チャイルドシートがないと退院させてくれない病院もあります。
もちろんです。むしろハワイでは、ご主人の立ち会い出産は当たりまえです
希望すれば可能ですが、こちらでは、無痛分娩が主流です。
ハワイでは、お母さんが痛くて辛ければ、赤ちゃんもつらいはず、という発想なのです。
具体的な分娩方法に関しては、あらかじめ担当の産婦人科と相談し、希望を伝えるようにしましょう。
産科のある病院から契約している医師を紹介してもらうことも可能です。しかし、希望に合った医師を選ぶのはとても大変。例えば、「日本語を話せる医師」」と「日本語をきちんと理解し、日本語で説明できる医師」とは違います。コーディネーターなどに、希望にあった医師を紹介してもらったほうが安心だと思います。
アメリカでは、へその緒は捨ててしまうのが普通です。しかし、希望すればもらうこともできますので、あらかじめ希望を伝えましょう。
保険が効かないように、基本的に、行政サービスは受けられることはできません。
しかし、現地の小児科、内科など医師に相談することはできます。
日本語が理解でき、信頼できる医師を出産前に探しておくと安心です。
まず、日本とアメリカは制度や常識が大きく違います。しっかり計画を立て、正確な情報を得ることが大事。
また、日本から育児グッズもすべて持ち込んでくる方が多いのですが、おむつも、ミルクも、日本が一番!と考えず、せっかくハワイ出産を選択したのですから、現地のものを試して、ここでしか体験できない経験を楽しんでみるのもよいでは?と感じることがあります。
異国の地での出産は、さまざまな不安があるかと思いますが、間違いなく、ハワイの気候は、お母さんの精神にとてもよい影響を与えると思いますよ。私自身、常にスピリチュアル的にパワーを感じていますから、この地で生を受けた子供たちもよいパワーを得て生まれてくる気がしています。