子育てワールドリポート

世界で活躍するライター&ジャーナリストによるリレーコラム。
出産、医療、エコ育児など、様々な海外情報をお届けします

アメリカNo.12 南カルフォルニアの新米ママを支えるMommy & Me

寺町幸枝

プロフィール

寺町幸枝/Yukie Liao Teramachi

1977年生まれ。ロサンゼルス在住。ファッション関連会社を経営しながら、ライターやコーディネーターとして活動。
慶應義塾大学大学部政治学科卒。アパレル会社で勤務後、2003年に渡米。ロサンゼルスのFIDMにてマーチャンダイジングを学び、2005年にF.T.C. Funtrap, Inc設立。フィットネスウエアの販売と、自社ブランド、ママと子供服「Sunshine Darlin'」の生産販売を行いつつ、ファッション、ビジネス、そして現在米国の子育て事情についての情報発信を行なっている。
2008年台湾系米国人と国際結婚。2010年4月第一子をロサンゼルスにて出産。
Global Pressメンバー

「Mommy & Me(マミーアンドミー)」

出産を迎え、育児の世界に突然飛び込むママたち。十人十色とは 言ったもので、一人目に限らず、子供が生まれる度に、新しいことに向き合い、沢山の不安を抱えながら、毎日子供と過ごしているママ達を、ここ南カリフォルニアでは「Mommy & Me(マミーアンドミー)」という名のクラスが救ってくれる。

ロサンゼルス空港から車で15分ほど南に位置するレドンド・ビー チ。
サウスベイと呼ばれる地域の一つであるあるビーチ沿いの町には、白人、アジア人を中心に、教育熱心な人々が多く集る。そのため、市が主催するクラスから、育児関連ショップが運営するものまで、新生児やその両親のために、様々なクラスが開かれている。中でも「Bright Beginnings and Beyond(ブライトビギニングスアンドビヨンドー以下BB&B)は、特に出産後のローカルママ達から絶大な る人気のショップだ。 

BB&Bが提供しているクラスの中でも人気なのが2つある。
一つは「Breatfeeding(母乳による授乳)」クラス。米国では、面白いことに、全てのママたちが母乳で子育てをしようとするわけではない。私自身、出産直前に、ナースから「あなたは授乳するつもりか」と尋ねられた。

そのようなことを質問されること自体に驚いた私だが、中には最初から粉ミルクで子育てをすることを決めているママもいるとのこと。出産後2、3日で家に帰され、いきなり母親業をはじめなくてはいけないママ達。日本のように、助産婦さんや婦長さんからの、授乳指導などほぼ皆無に等しい状態なのだ。
一応ナースの中で「Lactation Consultant(ラクテーションコンサルタント)」と呼ばれる資格を持つ人が、出産後に病院で指導に当たってくれるが、その指導法はまちまち。おっぱいを赤ちゃんに吸い付ける方法などを指導してくれる人などまれ。ほとんどが理論をさらっと話して「Good Luck!」と言われて終了のケースがほとんどだ。

子育て経験者なら誰しも分かると思うが、この授乳というのが最初の子育ての難関の一つだと私は思う。うまくおっぱいを飲んでくれない、思うように母乳が出ない。母乳が足りていないのではないか?頻度はどのくらい?悩み出したらきりがないのである。

健康志向の強いアメリカ人の間でも、母乳で子育てすることの大切を理解し、母乳で子育てを行なうと強い意思を持っているママ達が増えている傾向もある。そのため、BB&Bのクラスが人気を集めているわけだ。内容はといえば、まさに入院中の日本の病院で行なわれる集団授乳指導と同じ。ママ達が並んでおっぱいあげる。

インストラクターがその授乳方法をチェックし、アドバイスをしてくれるというもの。興味深かったのは、授乳の際の子供の抱え方が日本以上に色々あること。これがだめなら、こっちという風に、赤ちゃんの抱え方を変えながら、授乳をしてみるように指導された。

日本では馴染みのない抱え方として指導を受けたのは「フットボールホールド」。まさに赤ちゃんを<小脇に抱え>ておっぱいを飲ませるやり方だ。また「Boppy」とブランドの授乳用枕も、こちらのママの間では非常にポピュラーだということを知った。

ポジショニングについて説明してあるサイト

http://pregnancy.about.com/od/breastfeedinginfo/ss/breastpositions.htm

そしてもう一つのクラスが「Mommy & Me」と呼ばれるクラスである。このクラスは、毎回様々なテーマについてのディスカッションとともに、歌や手遊びを教えてくれるクラス。先輩ママであるインストラクターが、色々と集めた情報ベースに話しをしたり、クラスメイトである母親同士が、手に入れた情報を出し合う。

またテーマによっては、ゲストスピーカーが登場。例えば、「食育」がテーマの週には、地元マンハッタンビーチにある、オーガニックの野菜や肉などを販売するスーパー「grow」のオーナが、野菜や果物をどのように摂取させたらいいかやオススメおやつレシピなどを紹介

また別の週ではサウスベイにある女性器官専門の理学療法治療院「Women's Advantage  Inc」のドクターが、出産後のよくある問題やその解決法を指導。産後の運動方法についてもアドバイスをくれた。また帝王切開の傷跡をその場でチェックするなど実践的。ドクターの話しによると、この分野については日本では一般的でないため、同病院には日本からも医者たちが頻繁に研修に訪れるそうだ。

もちろん、毎回歌を歌ったり、子供との接し方や遊び方に始まり、季節に合わせたテーマで、制作物を作るようなこともある。サンクスギヴィングには子供の足型をスタンプして、目や羽を付けてターキーに見立てたカードを作成するなどは、アイデアに感嘆した。筆者にとっては、アメリカで幼児期を過ごしていないため、このクラスで初めて歌や手遊びを習った。

クラスの大半は一人目の子供とその母親たち。

フルタイムで仕事を持つ産休中のママから、フルタイムママまで様々。早いママで生後6週間の子供とともに、クラスに参加していた。多くのママたちが、自分なりに本を読んだり、ウェブサイトで調べたり、勉強熱心、教育熱心なママが多かった。

そんなママ達から、子供なよく寝ない、肌荒れしたなど、同じような悩みを毎週語り合える機会があったのは、精神的に当時分からない事だらけだった自分にとっては、とても支えになった。また他のママ達も同様に思っていたようだ。また知育おもちゃや、便利グッズに関する情報は、日本人ママ達からは得られないほど、莫大な量と質を持っていたのには、驚かされた。またメーリングリストを利用して、様々なクーポンや割引情報なども、頻繁にやりとりしていた。おかげで離乳食グッズや洋服が安く手に入った。

そしてなんともアメリカ的だと思ったのは、「Mommies Night Out(マミーズナイトアウト)」という企画。

まさにお母さんたちの夜遊びデーである。家族やベビーシッターを手配して、ママ達同士で夕食を食べにでかけるという企画。
これまで全く外に出かけていなかったママも多く、みんなで息抜き会をしようというものだ。最初は参加しようかどうか迷っていた私だが、せっかくの機会だからと主人に息子を預けて参加。みんな授乳時間を気にしながらも、子供なしでわいわいとイタリアンをほおばり、ちょっとお酒なども飲んだりして、楽しい2時間を過ごした。やっぱり息抜きも大切!と全員が口を揃えて話していた。

クラスに通いだしてすでに半年以上が経ち、ほぼ同じ頃に誕生日を迎えていた子供たちも、もうすぐ1歳になる。Mommy & Meで出会ったママ達とは、その後も「Play Date(プレイデート)」という毎週決まった曜日に誰かの家や公園に集って、子供たちを遊ばせる会を行なっている。

以前はただぼーっと座っておもちゃを舐めているだけの子供たちが、徐々に交流しあって、遊ぶようになってきた。ママたち同士の悩みは授乳の話しではなく、離乳食や風邪対策など、以前とは様子が変わってきた。それでも同じようなステージを、同じ時期に越えていく。今後は学校問題なども出てくるのだろう。でも地元にいる仲間たちと一緒なら、楽しく乗り越えていけるように思える。

  M&M.jpg

「Mommy & Me」で出会ったファミリー。
毎回さまざまなテーマのクラスが用意され、学びとリクリエーションの場、そしてママたちの情報交換の場になっています。


MNO.JPG

Mommies Night Out(マミーズナイトアウト)
ママだけで集まり、貴重な息抜きタイムを楽しみました

世界の子育て情報募集中!

コメント一覧

  • 「授乳の際の子供の抱え方が日本以上に色々あること。」とのことですが、写真にある抱き方はひと通り日本(東京)の産院で教わりましたよ。
    フットボールホールド、私も出産するまで知りませんでしたが、別のママも抱き方について語っていることがあったので、意外と知られているのかもしれません。

    akiko2011年8月25日 10:46
  • コメントてすとてすと

    情緒と創造性を育む「木のおもちゃ」
     ドイツで人気の知育玩具「クボロ(キュボロ)シリーズ」から、作ったり転がしたり...

    うぇびん2012年10月24日 03:20

コメントをする

投稿していただいた情報は、基本的にサイト内に掲載させていただきます。
ただし、コメントの内容で、編集部が不適切と判断した場合は掲載しない場合があります。特に、明らかに営業目的と思われるコメント、特定の個人や団体等を攻撃するコメント、人種差別と思われるコメントなどは、削除させていただきます。
また、掲載にあたり、誤字脱字等が明らかな場合は、送っていただいた方に断りなく修正することがあります。
掲載された情報・コメントの著作権は「世界の子育て研究所」に属し、加工・再利用させていただく場合があります。

コメントネーム
【必須】
メールアドレス
【必須】
URL
コメント内容
世界の子育て研究所とは
世界の子育て情報募集中!
メガ★お母さんになろう!~海外で、仕事もプライベートも成功させたいあなたへ~
FumieのBlog〜多文化を人生のスパイスに〜
メルマガ登録